故人を偲び、残された遺品を整理する作業は、ご遺族にとって時間的にも精神的にも大きな負担となるものです。
その中でも、遺品整理にかかる費用は、事前に把握しておきたい大切な情報の一つでしょう。
住まいの規模や遺品の量、依頼するサービス内容によって費用は大きく変動するため、具体的な相場観や、後々トラブルにならないための知識が求められています。
ここでは、遺品整理の費用について、実情に即した情報をお伝えしていきます。
遺品整理の費用相場
間取り別の遺品整理費用相場
遺品整理にかかる費用は、まずお部屋の間取りによって大きく左右されるのが一般的です。
例えば、一人暮らし向けのワンルーム(1R・1K)であれば、比較的作業も小規模になるため、費用も抑えられ、おおよそ10万円~20万円程度が目安となるでしょう。
これが、リビングと寝室のある1LDKになると、作業範囲が広がり、遺品の量も増える傾向にあるため、費用は15万円~25万円程度に上がることが想定されます。
さらに、2LDKや3LDKといったファミリータイプの間取りでは、部屋数が増え、収納スペースも多岐にわたるため、20万円~40万円、あるいはそれ以上となるケースも珍しくありません。
ただし、これらはあくまで目安であり、建物の構造(戸建てか集合住宅か、エレベーターの有無など)や作業の難易度によっても変動することを念頭に置く必要があります。
荷物の量による費用相場の違い
間取りが同じでも、実際に遺品整理の費用に影響を与えるのが、遺品の量です。
単に部屋が片付いているか、物で溢れかえっているかによって、作業時間や人員、トラックの積載量などが変わってきます。
例えば、ほとんど家財道具がなく、衣類や思い出の品程度であれば、比較的短時間で済むため費用も抑えられますが、家具、家電、衣類、書籍、雑貨などが大量にある場合は、分別、搬出、運搬に多くの手間と時間がかかります。
特に、大型家具や家電、仏壇、大量の書籍などは、その処理にも追加費用が発生する可能性があるため、荷物の量が多いほど、費用は比例して高くなる傾向にあることを理解しておきましょう。
基本料金に含まれる内容と追加費用の目安
多くの遺品整理業者が提示する基本料金には、遺品の仕分け、搬出、一般的な清掃(掃き掃除や拭き掃除程度)、作業車両の費用などが含まれています。
しかし、ご遺族の希望によっては、特殊清掃(消臭・消毒・原状回復など)、形見分けの梱包・配送、遺品の供養、仏壇・位牌の魂抜き、不用品の買取・リサイクル、家電リサイクル法対象品の処分などが別途オプションとなり、追加費用が発生することがあります。
これらのサービス内容を事前にしっかりと確認し、見積もり段階で不明瞭な点がないか、担当者に細かく質問することが重要です。
一般的に、特殊清掃は数万円から、供養や買取などは品目や量によって変動します。
遺品整理の費用を適正に抑えるには?
遺品整理の費用が決まる主な要因
遺品整理の費用がどのように決まるのか、その主な要因を整理しておきましょう。
第一に、先述したように、居住していた空間の間取りや広さが費用のベースとなります。
第二に、残された家財道具や生活用品といった遺品の量と種類が、作業時間や運搬コストに直結します。
第三に、遺品整理の作業内容、例えば、単なる搬出だけでなく、故人の思い出の品から不用品までの選別、必要に応じた解体作業、特殊清掃の有無などが費用を変動させます。
さらに、作業を行う時期(年末年始など繁忙期は割増料金が発生することも)、依頼する業者の規模やサービス内容、そしてオプションサービスの利用有無も、最終的な費用を決定づける重要な要素となります。
悪徳業者に注意!料金トラブルを防ぐ業者の選び方
遺品整理業界には残念ながら悪質な業者も存在し、高額請求や不当な追加料金でトラブルになるケースも少なくありません。
料金トラブルを避けるためには、まず、複数の業者から見積もりを取ることが不可欠です。
その際、極端に安価な見積もりを提示する業者や、現地調査をせずに概算料金のみを提示する業者には注意が必要です。
信頼できる業者は、作業内容、料金体系、追加費用の有無などを明確に説明し、書面で見積もりを提示してくれます。
また、会社の所在地が明確で、実績や口コミが豊富、損害保険に加入しているかなども、業者を選ぶ際の判断材料となります。
契約を急かしたり、質問に曖昧な回答しかしない業者とは、安易に契約しないようにしましょう。
追加請求されやすいケースとその見極め方
遺品整理の現場では、見積もり時には想定しきれなかった要因で追加請求が発生することがあります。
例えば、壁の奥や押し入れの奥に隠れた場所にあった大量の不用品、見積もり時に確認できなかった特殊な材質の家具(解体・処分に手間がかかる)、作業中に発見された遺品の供養依頼、ご遺族の意向による作業内容の変更などが挙げられます。
これらの追加請求を適切に見極めるためには、契約前に「追加料金が発生する可能性のあるケース」について、業者に具体的に確認しておくことが重要です。
また、作業中に予期せぬ追加費用が発生しそうな場合は、必ず作業を一旦中断してもらい、その理由と金額について書面で説明を受け、納得した上で進めるようにしましょう。
不明瞭な追加請求には安易に同意しない姿勢が大切です。
まとめ
遺品整理の費用は、住まいの間取りや遺品の量、作業内容によって大きく変動しますが、おおよその相場を把握しておくことで、計画的に準備を進めることが可能です。
基本料金に含まれる内容と、追加請求が発生しうるオプションサービスについて、見積もり段階で業者としっかりと確認し、不明瞭な点がないようにすることが、後々のトラブルを防ぐ上で極めて重要となります。
また、悪徳業者に騙されないためにも、複数の業者から見積もりを取り、料金体系やサービス内容を比較検討し、信頼できる業者を選ぶことが、適正な費用で安心して遺品整理を依頼するための鍵となります。
故人を偲び、心を込めて行う遺品整理だからこそ、費用面でも納得のいく形でお任せしたいものです。
投稿者プロフィール

- 不用品回収・買取アドバイザー
- 名古屋の不用品回収・買取サービス「クリーンスタッフ」で情報発信を担当しております。長年にわたり不用品回収業界に携わり、引っ越しや遺品整理、ゴミ屋敷清掃など、さまざまなケースに対応してまいりました。不用品の処分に関するお役立ち情報を発信し、お客様がスムーズかつお得にご利用いただけるよう努めております。また、環境負荷を減らすリサイクル・リユースにも力を入れ、持続可能な社会の実現を目指しております。
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